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Claude Codeを自然言語インタープリタとして活用し、エージェントシステムを構築する手法を示したガイドです。
本ガイドは、自然言語をマクロコードとし、LLMをインタープリタとして構造化されたタスクを実行する自然言語マクロプログラミングを提示します。
従来のプログラミングが特定の構文を持つプログラミング言語をコンピュータに解釈させるのに対し、自然言語マクロプログラミングでは:
- 自然言語とマークダウン記法をプログラムとして記述
- Claude Codeがそれを解釈・実行するインタープリタとして機能
- Task tool、TODO tool、変数管理、条件分岐、並列実行等の高度な制御構造を自然言語で実現
- エージェントシステムとして複雑なタスクを自動化・最適化
直感的な自然言語でエージェントの振る舞いを設計し、Claude Codeに実行させることが可能になります。
自然言語マクロプログラミングは、責任あるAI開発において重要な高い説明可能性(Explainability)を有します。自然言語による記述により処理ステップが人間に理解しやすく、実行過程の透明性、監査可能性、デバッグ可能性を実現し、システムの動作検証と追跡を容易にします。
変数の保存と参照を試してみましょう:
変数に保存:
「春をテーマにした俳句を3つ作成して{{haiku}}に保存してください」
変数を参照:
「{{haiku}}の中から最も美しいものを選んで改良してください」
Claude Codeで上記をそのまま実行すると、自然言語マクロプログラミングが体験できます。 (注意: CLAUDE.mdにおけるマクロ定義が必要になります)
自然言語マクロプログラミングの中核となる10のデザインパターンを、基本4パターンと高度6パターンに分類して体系化しています。
📋 基本4パターン - macro.md
- Pattern 1: Sequential Pipeline(順次パイプライン) - タスクを順次実行し、前の処理結果を次の処理に渡す基本的な実行パターン
- Pattern 2: Parallel Processing(並列処理) - 複数のタスクを同時実行し、効率的に処理を完了する並列実行パターン
- Pattern 3: Conditional Execution(条件分岐) - 状況に応じて異なる処理経路を選択する条件分岐パターン
- Pattern 4: Loop & Modular Programming(繰り返し・モジュール) - TODO-listベースの反復処理とFew-shot Pattern Loopによる効率的な繰り返し制御
🚀 高度6パターン - macro.md
- Pattern 5: Problem Solving & Recursion(問題解決・再帰) - 複雑な問題を段階的に分割し、TODO管理により解決する再帰的アプローチ
- Pattern 6: Learning from Experience(経験学習・知識蓄積) - 過去の実行結果を学習し、改善提案を生成する経験学習パターン
- Pattern 7: Environment Sensing, Knowledge-base & Environment Model(環境センシング・知識ベース・環境モデル) - 外部環境の情報を取得し、知識体系を構築し、状況に応じた適応的処理を実行
- Pattern 8: Human-in-the-Loop(人間協調型エージェント) - 人間の判断を適切なタイミングで組み込む協調型実行パターン
- Pattern 9: Error Handling(エラーハンドリング) - エラーを予測し、適切な回復処理を実行する堅牢性向上パターン
- Pattern 10: Debug & Tracing(デバッグ・トレーシング) - 実行状況を可視化し、問題の特定と解決を支援する開発支援パターン
構成: Pattern 1-4(基本パターン)と Pattern 5-10(高度パターン)、さらに Appendix(専門技術)を組み合わせて実用的なシステムを構築できます。
統合効果: 複数パターンの組み合わせにより、A.4俳句生成マルチエージェントのような協調型システムが構築可能になります。
📖 付録(高度な技術)- Appendix.md
- A.1: イベント駆動実行 - 非同期処理とリアルタイム応答システム
- A.2: 4層の防御戦略 - 4層防御戦略による安全な運用手法
- A.3: Python ツール統合 - SQLite変数管理システム連携によるPythonエコシステム活用
- A.4: マルチエージェント・システム設計 - 共有黒板モデルによる協調エージェントシステム(俳句生成マルチエージェント実装例含む)
- A.5: 監査ログシステム - SQLite変数管理拡張による透明性と責任追跡性の確保
- A.6: LLMベース実行前検査 - LLMによる実行前静的分析によるセキュリティと品質の確保
- A.7: メタプログラミング - 動的マクロ生成・検証・評価・改善による自己適応システム
- A.8: アンサンブル実行と合意形成 - 確率的動作への統計的対抗策
- A.9: 型安全性とスキーマ管理 - 段階的型安全性強化とスキーマベース体系的データ管理
- A.10: LLMベース実行後評価 - 確率的システムの品質・創造性・論理性評価
- A.11: 変数管理の永続化とスケーリング - データベースによる堅牢な状態管理
- A.12: ベクトルデータベースとRAG活用 - 知識ベース・経験学習による動的知識システム
- A.13: ゴール指向アーキテクチャと自律的プランニング - 4段階フロー・PDCAサイクルによる完全自律システム
- A.14: Pythonオーケストレーション型ハイブリッドアプローチ - Python + 自然言語マクロによる高速・低コストシステム
- A.15: SQLiteベース変数管理 - SQLiteデータベースによる堅牢な変数管理システム・パフォーマンス向上
- A.16: コーディングエージェントによるマクロ自動生成 - 宣言的仕様から手続き的マクロへの自動変換手法とデザインパターン活用
- macro.md - メインガイド(10デザインパターン + 付録参照)
- Appendix.md - 付録(高度な技術要素と手法)
- examples/ - パターン別実例集
- multi-haiku/ - マルチエージェント俳句生成システム(SQLiteベース実装例)
- SQLite/ - SQLiteベース変数管理システムの実装コードとツール
- haiku_direct.md - 実例(俳句生成システム)
- CLAUDE.md - マクロ定義ファイル
- debugger.md - デバッグモード仕様書
- 技術的な質問・バグ報告: GitHub Issues
- 学術的なお問い合わせ: wadayama@nitech.ac.jp
MIT License - 詳細は LICENSE を参照。
- Tadashi Wadayama - プロジェクト設計・文書作成
Last Updated: 2025-07-27
Author: Tadashi Wadayama (with assistance from Claude Code)
License: MIT License (2025)